ネタバレ含みます、ミステリーなので注意。
予め点数で言うと75~80点です。
今回は読書感想文となります、活字読め!!
2024年ミステリー大賞を受賞した『ファラオの密室』を縁あって読むことになったので感想です。
まず前もって言います、普通のミステリーを読むつもりでいるなら面食らいますよ。
どっちかというとファンタジーな気持ち…指輪物語とかそういうのを読む心構えで向かわないと思考が追いつかないかと思います。
世界観は現代社会ではなく古代エジプト、ファラオが圧倒的存在として君臨しており神が実在しています。
「神が実在しています」
FGOで魔獣戦線を読んだことある人なら(アニメでも)比較的入りやすい内容かと思います。
なんたって「死後マアトに天秤かけられたら心臓欠けてるから現世に戻って探してこい」がスタートですからね、神ぃ〜!
で、まずマイナス点から書いていきます。
ここからネタバレとか出るので読んでみたくなった人はブラウザバックして本屋に行きましょう、1500円です。
まぁぶっちゃけ1500円はちょい高めなイメージなんですけど、ラノベ出身だからですね。
ちなみにこれ最初のマイナス点ね、ダントーは頂き物なのであまりこういうの書くのは悪いとは思いますけど…縁がなければ手に取らなかった気がします。
まず最大のマイナスは奴隷の少女カリについて。
この時代、奴隷はめっちゃいましたし人権なんて砂粒以下の扱いだったと思います。
そんな中で可哀相なカリ!をそこそこ長く演出します、もういい分かった分かった。
読者に「なんて可哀相な少女だろうか!」って思わせるのが必要以上に感じて若干白けました。
そこから逆転大勝利、希望の未来へレディーゴー!する布石とはいえ長かったなぁ……。
くどくど書いてしまう程度には長かったです。
次は主人公の弟分に対する扱いがあまりにも雑だった。
完全にネタバレになるんですけど……。
彼の死があまりにも無駄で「は?」ってなりました。
主人公に疑われつつもそれを知らないまま庇って死ぬ、そこまでは良いんですけど主人公の心にモヤっとしたのが出て終わり。
親友のこと考えすぎてるのか可愛い弟分の死は心に響かなかったようです、酷い。
ダントーはこういう男の娘好きなので特に印象悪いですね、まぁもっと凄惨な死に方思いついたけどR-15になっちゃうか。
あとはミステリー要素の解決で弓を使うシーン。
前職は商家の娘、今は石引奴隷で体力には自身があります!
いや、それで矢をまっすぐ射抜けるのはもう天才なんよ。
何度も失敗したと言うけど時間的なシーンとしては2〜3時間程度か?習得早すぎだろ。
せめて穴のそばに矢がかろうじて届いたものの穴から出ない…その瞬間に親友君がその矢を掴んで引っ張り上げる…みたいな描写ならさ。
墓所から地上へ引っ張り上げる…エモくない?
でも面白かったのは事実。
軽く読んでみるかと本を開いて4時間後には読み切ってました、どっぷり。
活字離れしてたけどこんな早く読めるとは思わなかったです、ページを捲る指が乾燥するくらいには集中してました。
まず世界観が好み、FGOを例にしてましたがこういう古代の神と人の生活圏が曖昧な時代って面白いんですよね。
奇跡が本当に目の前で起こるのを見て、神がやった→納得、の流れが好き。
墓守のお兄さんも良かった、生きててくれよ…。
実は私…が唐突に来る驚きが良い。
誰が敵で、誰が味方なのかをドキドキしながら読めました。
そこで裏切る!?とかホント最高すぎた。
なによりも主人公の隠していた嘘が一番驚かされた、なるほどなー!!!!うわーー!!分からなかった!!!!!
そしてハッピーエンド(古代エジプト感)なのも好き。
あの終わりを現代日本を舞台にやったらクソしょーもないって思ってたんですけど、エジプト文化の前提で見たら最高のエンドなんですよね。
読者もニコニコしたけど、マアトのが絶対ニコニコしてるわコレ。
だが弟分の事は……。
とまぁ読んだ感想としては面白かったよ!ってなるわけです。
マイナス点は完全にダントーの好みと、単純なイチャモンですからね。
ただ古代エジプト成分のファンタジーを親の世代が理解しつつ、覚えにくい名前の数々をメモ書きして読ませるにはちょっと大変かなと。
オススメには出しにくい、そんな感じでした。
あとは完全にダントーの好みの話ですけど、複数の主人公による群像劇みたいなのが好きなので親友パートのシーンは好きです。
まぁ群像劇感ではあまり無かったかもですけど。
好きな本ですか?成田良悟さんの『バウワウ!』ですね。
今回は縁あって読んだのですが満足行く内容でした、こういうのを図書館で見つけ出せる審美眼が欲しいものです。
とりあえず古代エジプト欲が高まったので遊戯王でもやってきます、トリコロールガジェットを使う展開を思いついたんじゃ。
ということで今回はここらへんで、ではでは。